コラム

COLUMN

2025.05.26 看護師

足の水虫と糖尿病

だんだん気温が上がり、蒸し暑さを感じるようになってきました。
今回はこの時期に増える足の身近な感染症、『水虫』と糖尿病の関係について解説します。

湿気が大好き!水虫の菌

「水虫」は俗称であり、正式な病名は足の皮膚の水虫を「足白癬」、爪の水虫を「爪白癬」といいます(白癬=はくせんと読みます)。水虫の菌はカビの仲間で、高温多湿を好むため、5月頃から夏にかけて活発になります。冬場は症状が落ち着いてきて一見治ったように見えますが、実際は菌が足に残っていて暖かくなるとまた発症します。(爪白癬は季節の変動は少ないです。)

足の皮膚の水虫【足白癬】の症状の一例

・足の指の間が白くふやけて皮がむける

・足の裏やふちに小さな水ぶくれ(小水疱)ができる

・かかとの表面が硬くなり、ザラザラして、白い粉をふいたように皮がめくれる など

足の爪の水虫【爪白癬】の症状の一例

・爪が白~黄色くにごり、ぶ厚くボロボロになる

・ボロボロになった爪が割れる など

ただし、症状の見た目だけで水虫かどうかの判断はできないため、必ず皮膚科の病院で検査を受ける必要があります

水虫の感染はなぜ起こる?

水虫の菌が床やマット、履き物などから直接足の皮膚に付着して感染します。
ただし菌に触れるとすぐ感染するわけではなく、菌が皮膚に付着してから感染するまでに通常は24時間程度かかるといわれています。足の清潔が不十分な場合や、長時間くつを履く仕事をしていて足が蒸れている場合などは水虫の感染が起きやすいと考えられます。

水虫の感染を防ぐポイントとして、毎日入浴して足の裏や指の間を石けんで洗い、入浴後にきちんと水分を拭き取ることが大切です

水虫と糖尿病の関係は

糖尿病で長年血糖値が高いと、神経障害を合併して足の異常に気が付かず放置してしまったり、免疫の機能が低下して水虫の感染を起こしやすいと考えられています。
また、水虫が悪化して皮膚がやぶれたり爪が割れたりして足に傷がつくと、傷口から出血や感染を起こし、日常生活にも支障を来たすことになりかねません。

毎日足を観察し、異常の早期発見・早期治療することが大切です。

足の症状が心配であれば、来院時に看護師まで遠慮なくご相談ください。